ゴリラのシナリオ置き場

TRPGのシナリオとかTCGのデッキとか置いとくところ

CF-CG『覚悟との再会』(デレマス×ヴァンガSS)

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「お待たせプロデューサー。それで、今日はどうしたの?」
雑誌の取材を終え、事務所へ戻った北条加蓮は、プロデューサーから話があるというメールを貰ったのを思い出し、会議室の扉を開いた。既に、何人かのアイドルが顔を出している。
「加蓮、お疲れ様。じゃあとりあえずこの面子で始めようか」
渋谷凛神谷奈緒の隣の椅子に座り、対面にいる他の面子を確認する加蓮。
……塩見周子宮本フレデリカ一ノ瀬志希、二宮飛鳥。
「なんか意外な面々だね。凛と奈緒はわかるけど」
「うん、私も気になってた」
渋谷凛が頷く。
「まあ、単純にスケジュールの空きを見て話してるだけなんだ。既に何人かにも同じ話をしてる」
「ワオ、じゃあ大きい企画なんだー。エッフェル塔くらい? それとも、フランスドームくらい?」
よくわからない比較を持ち出す宮本フレデリカをスルーして、プロデューサーは話を進めようとする。
「……志希ちゃん。はじまるよ」
「…………zzz」
机で気持ちよさそうに寝ている一ノ瀬志希を小突く塩見周子
「まあ、あの天才娘は置いといても大丈夫だろう。それで、そんなに大きい企画なのかい?」
ウィッグを弄りながら、キザったく話を促す二宮飛鳥。
「ああ、みんな『ヴァンガード』って知ってるか?」
ピク、と志希のアホ毛が動いた。
「聞いたことある。たしか……カードゲームだよね?」
少し自信なさげな渋谷凛と、
ヴァンガードって……あのヴァンガードか!?」
何やら詳しそうな神谷奈緒。同じユニットなのに、対象的だ。
「たしか、前に別の事務所のアイドルがタイアップ企画とかやってたよね。ピンクと青の。すごいブームになった子たち」
加蓮も記憶にある。一時期はそのアイドルグループがすごく人気で、対抗意識を燃やしたものだ。
「ああ、実はヴァンガードの販売を行ってる会社が、うちのバラエティ番組の新しいスポンサーになってな。スポンサーからの要望で、アイドル達にヴァンガードで対戦したり、宣伝企画をいくつかやってもらいたい。ってことなんだ」
「カードゲームの宣伝企画……なるほどね」
頷く凛。奈緒は何やら、ぎこちなくそわそわしている。
奈緒、もしかして好きなの? ヴァンガード
ついちょっかいを出してしまう加蓮。
「わ、悪いか!? 比奈に誘われてやってみたら意外と面白かったんだよ!」
奈緒はこれでなかなか交友関係が広い。正直、加蓮としては少し妬けるほど。それが奈緒の人徳なのだが。
「……まあ、わかる奴がいるなら話が早いな。今日は支給されたデッキをみんなに選んでもらうのと、実際にカードに触れてもらおうと思って何人かずつ分けて呼び出してたんだ」
「ああ、それでさっき紗枝はんが少しそわそわしてたんだ。あれ、デッキ貰って嬉しかったんだろうねー」
と、周子。
「フッ、そういうことなら僕には不要だね。なぜなら」
「志希ちゃんと飛鳥ちゃんはデッキ持ってまーす!」
カッコよく決めようとしたところを飛び起きた志希に邪魔されて、飛鳥は思わず押し黙った。
「まあ、『自分のデッキがある人はそれを使って構わない』とのことだ。問題ないぞ」
「よかったね奈緒
「あ、ああ……でも、私や志希達は経験者で、加蓮達は未経験なんだろ。それで企画成り立つのか?」
「まあ、覚えてくれ。みんなならできるだろ」
プロデューサーにきっぱり言い切られてしまった。どうやら、「キャラじゃない」という逃げ道は使えないらしい。
「じゃあ、デッキを選んでくれ」
そう言って、プロデューサーはダンボールを開く。中には小さな、プラスチックケースのようなものが大量に入っていた。どうやら、その中に「デッキ」とやらが入っているのだろう。
「選んだら、軽いルール解説をして実際に対戦してもらう。こういうのは習うより慣れろ。だ」
「ふーん、これはどういうデッキなの?」
加蓮が手に取ったケースには『儀式』とラベルが貼ってあった。
「ああ、シャドウパラディンのデッキだな」
「シャドウ……パラディン
思わず、加蓮は反芻する。


「これに決めた」
具体的な説明を聞く前に、加蓮の心は決まっていた。
「いいのか? 結構プレイングが難しいデッキだぞ」
奈緒が訊ねる。
「うん。難しいなら覚えればいい。そうでしょ、プロデューサーさん」
「……そうだな。加蓮ならできるだろ」
「うん。ありがとう」
「じゃあ、私はこれ」
凛も1つのデッキを選んだらしい。
「アタシと周子ちゃんは、2人の対戦を見てから決めるね」
と、フレデリカ。フレデリカも周子もふざけているようで、なかなかしたたかだ。
「じゃあ、簡単なルール説明をして、実際に凛と加蓮で戦ってもらおうか」
「うん、やるからには勝つよ、加蓮」
「それはこっちの台詞だよ、凛」
テーブルの上にカードを広げる2人。プレイシートを敷き、簡単なルールブックを一読する。

 


「じゃあ、まずはグレード0の『スタートヴァンガード』を中央のサークルに裏で置く。デッキをシャッフルして、手札を5枚、上から引く。じゃんけんで勝った方が先行だ」
ゲーム慣れしている奈緒が、仕切り役を買って出てくれた。
「じゃあ、始めるよ凛」
「よろしくね」

「「スタンドアップヴァンガード!」」

2人同時に、ヴァンガードを表にする。

「《グリーピング・ダークゴート》」
「《蒼波兵ダガーマスター・ドラゴキッド》!」

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じゃんけんで勝った加蓮が先攻。1枚引き、手札を見る。

「ライドフェイズは、グレードが1つ上のカードにライドする。それがお前達のゲームにおける分身、ヴァンガードだ」
「うん。じゃあ行くよ。《竜刻守護者エスラス》にライド!」

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《ダークゴート》の上に《エスラス》を重ねる加蓮。
「《ダークゴート》は先駆で後ろに移動。たしか先攻は攻撃できないんでしょ。これでターン終了かな」
「じゃあ、私のターンだね。まずはカードドロー」
凛の手番へと移る。
「私は《ケルビーライダーニッキー》にライド! 《ダガーマスター》は右後ろに移動するよ」

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「2ターン目から攻撃ができる。何もないなら、バトルフェイズだ」
適度に進行する奈緒。プレイそのものに口を挟まずに、行く末を見守っていた。
「じゃあ、《ニッキー》でヴァンガードにアタック!」

《ケルビーライダー ニッキー》
パワー7000
《竜刻守護者エスラス》
パワー6000

ヴァンガードがアタックするタイミングで、受ける側はグレードがヴァンガード以下のカードを手札からガードに出せる。加蓮、どうする?」
「ううん、ノーガードでいいかな。今は手札が勿体無い」
「なら、凛はヴァンガードのアタック時にデッキの一番上を捲って、お互いに確認する。これがドライブチェック。そのあと加蓮はデッキの一番上をダメージゾーンに置く。これがダメージチェックだ」

「わかった、ドライブチェック」

ドライブ:蒼波水将フォイヴォス

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「ダメージチェック」
ダメージ:ハウルオウル

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「おっ、ここでトリガーか。ドライブ、ダメージでトリガーが出たら、好きなところにパワーを+5000。そして追加効果が発動する。今出たのはドロートリガーだから、加蓮は1枚引いてくれ」
「なるほどね、ラッキーかも」
1枚引く加蓮。
「パワーはヴァンガードにあげるけど……もう、凛の殴れるユニットはないよね」
「うん。ターン終了」
「じゃあ、私のターンだね」
加蓮がカードを引き、手番となる。2人とも飲み込みが早いようで、既にある程度理解している風だった。

「……プロデューサーさん、狙ってたでしょ」
周子が言う。
「何を?」
「凛ちゃんと加蓮ちゃん。2人ともクールな風を装ってるけど。すんごい負けず嫌いだからさ」
「だから、2人が勝負してるところを見る方が、アタシたちもわかりやすいかなーって」
と、フレデリカ。
「……まあ、こうなるだろうなとは思ってたけどな」
ともあれ、加蓮の3ターン目だ。
「《竜刻魔道士リア・ファル》にライド! さらに、《アビサル・オウル》をコール。スキル発動!」

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デッキの上から7枚を確認する加蓮。そして、1枚のカードを抜き出す。
「《覚醒を待つ竜ルアード》を手札に加えて、グレード3以上になるように手札を捨てる」
加蓮が捨てたのは《鋭牙の魔女フォドラ》グレード3。

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「バトルフェイズ行くよ、《アビサルオウル》でアタック!」
「……ノーガード」

 

ダメージ:蒼波竜アーセナルフリート・ドラゴン

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「続けてヴァンガード、《リア・ファル》でヴァンガードにアタック!」
「ノーガード!」
「ドライブチェック!」

 

ドライブ:哀慕の騎士ブランウェン

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ダメージ:蒼波兵ブライト・シューター

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「ターン終了。凛の番だよ」

北条加蓮
V:リア・ファル
R:V裏ダークゴート 右前アビサル
ダメージ:1/6(表1)
手札:6枚

渋谷凛
V:ニッキー
R:右後ダガーマスター
ダメージ:2/6(表2)
手札:5枚


「……手札もダメージも、加蓮が押してるね」
眺めていた飛鳥が呟く。
「にゃはは、でもまだ序盤だよ。これからがヴァンガードの面白いところだし……アクアフォースの怖いところでもあるんだにゃー」
志希もこの試合を見ているようだ。そして、次の第4ターン。試合は動く。

「私のターン。スタンド&ドロー」
凛は、簡単に説明されたルールと手札を頭の中で整理していた。
「プロデューサー、たしか相手のダメージを6点にすれば勝ちで、このダメージを裏にするとユニットの効果が使えるんだよね」
「ああ、『CB』の効果は強力な分、ダメージをコストにして使うんだ」
「わかった。じゃあ行くよ加蓮。《蒼波水将ガレアス》にライド!」

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「《蒼波水将ガレアス》……」
周子が何か考え込む。
「どしたの周子ちゃん」
「いや、《蒼波水将ガレアス》と《無敵要塞ザイガス》って似てるよね」
「似てないから!?……ともかく行くよ、《蒼波水将フォイヴォス》と《タイダル・アサルト》をコール!」

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凛の前列に、ユニットが埋まる。
「これって!」
ゲーム経験のある奈緒が、驚きの声をあげた。
「えっ、何?」
呆然とする加蓮。
「まずは《タイダル》でヴァンガードにアタック!」

 

タイダル:パワー9000
リア・ファル:パワー9000

 

「ノーガード」
加蓮はダメージを1枚置く。

 

ダメージ:アビサルオウル

 

「《タイダル》のスキル。このユニットをスタンドして、パワー−5000!」
「えっえっ」
攻撃を終えたはずの《タイダル》が立ち上がり、もう一度加蓮に銃を向ける。
「今度は《ダガーマスター》のブースト付きでアタック!」
「うっ……ノーガード!」

 

タイダル:パワー9000
リア・ファル:パワー9000

 

「ダメージチェック……」 

 

ダメージ:リア・ファル 

 

「次は《フォイヴォス》でアタック!

 

フォイヴォス:パワー9000

 

「ガード! ベリアルオウル!」

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「さらに《フォイヴォス》のスキルで3回目のアタック後にスタンド! パワー+2000」

 

フォイヴォス:パワー11000

 

「う……こんなに攻撃できるの?」

「悪いね、こういうデッキなんだ。ヴァンガードにアタック!

「ノーガード……トリガー!」

 

ダメージ:ベリアルオウル

 

「これでパワー+5000!」

「……ヴァンガードで、アタック!」
「……ノーガード!」
たしかに、凛のアタックは今加蓮には届かない。だが、加蓮は忘れていた。凛もドライブチェックができるという、当たり前のことを。
「ドライブチェック……クリティカルトリガー!」
「うそっ!?」

 

ドライブ:スーパーソニック・セイラー

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ガレアス:パワー14000

リア・ファル:パワー14000

 

「うーんくやしい! ダメージ……」

 

ダメージ:ブランウェン、ルアード

 

「追い詰めた。ターン終了」

北条加蓮

V:リア・ファル
R:V裏ダークゴート、右アビサル・オウル
ダメージ:5/6(表5)
手札5枚

渋谷凛
V:ガレアス
R左フォイヴォス、右前タイダル 後ダガーマスター
ダメージ:2/6(表なし)
手札:4枚


「……負けるもんか! スタンド&ドロー!」
今の渋谷凛の攻撃は、加蓮の中にある闘争心に火をつけるのに十分だった。
「ライド!《覚醒を待つ竜ルアード》!
これが、私の分身!」
深い帽子を被った魔道士。それが、加蓮の選んだ『シャドウパラディン』の顔。

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「さらに、《フォドラ》をコール、スキル発動! 」

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「デッキから、《ベリアルオウル》2体をスペリオルコールし、さらに《モルフェッサ》をコール!」

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「一気にユニットを展開した!」
「でも、《ベリアルオウル》はトリガー。トリガーを捲る確率を下げてるよ?」
思わず確認する凛。
「大丈夫。私なら引けるから」
対する加蓮は、強気。
「なるほど……じゃあ、ここが勝負だね」
「まだ、《ダークゴート》のスキルで自身をソウルに。デッキから5枚見て、《ルアード》を手札に入れてから、ヴァンガードでアタック!」

 

ルアード:パワー11000+4000=15000
ガレアス:パワー9000

 

「ノーガード!」
「ドライブチェック!」

グレード3からはツインドライブになり、チェック枚数が2枚となる。トリガーを引ける確率は、前のターンよりも格段に上がる。

「ゲット、ドロートリガー! 効果はモルフェッサに、1枚ドロー。セカンドチェック、ヒールトリガー! 効果はフォドラに、ダメージの《ベリアル》を回復!」
「ダメージチェック……ドロートリガー!
全てヴァンガード!」

 

ドライブ:ハウルオウル、異端の魔女イエリッド

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ダメージ:蒼波兵ブルーギル・トルーパー

「《モルフェッサ》、《アビサルオウル》のブーストでアタック!」
「ノーガード」

モルフェッサ:パワー9000+7000+5000=21000

 

ダメージ:蒼波元帥ヴァレオ

 

「ガードしない……? 《ベリアルオウル》ブーストの《フォドラ》でアタック!」
「ノーガード」

 

フォドラ:パワー9000+4000+5000=18000

 

ダメージ:蒼波竜ブルーギル・トルーパー

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結局、凛はガードを出さなかった。
「……ターンエンド」

 

北条加蓮
V:ルアード
R:V裏ベリアル、左フォドラ裏ベリアル、右モルフェッサ裏アビサル
ダメージ:4/6(表3枚)
手札:6枚
ドロップゾーン:ベリアル2枚

 

渋谷凛
V:ガレアス
R:左フォイヴォス、右タイダル裏ダガーマスター
ダメージ:5/6(表3)
手札:6枚


「私のターンだね」
正直、ヒヤッとした。もしクリティカルトリガーかスタンドトリガーを出されていたら、ガードを切らなければならなかったからだ。
(手札のカードも場の《フォイヴォス》《タイダル》も、欠かすことができないっていうのはわかった。だから、危険でもノーガードするしかなかった)
渋谷凛は今、楽しんでいる。この極限でのせめぎ合いは、まるで大好きな、ライブで歌う時の緊張感に似ていた。
(面白いね、ヴァンガード)
でも、だからこそ。
「全力で行くよ。ライド! 《蒼波元帥ヴァレオス》!!」

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凛がライドしたのは、どこか堅そうな大男。そして、
「未来を照らせ。時空超越(ストライド・ジェネレーション!!)」
お互いのヴァンガードがグレード3の時、手札からコストを払うことで、『未来の可能性』を一時的に降臨させることができる切り札……そう、プロデューサーは説明してくれた。
「《蒼波師竜フラットハザード・ドラゴン》!!」
現れたのは、蒼き竜。

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「超越スキル! 《ルアード》のパワーをこのターン、11000で固定!」
「ってことは、もしダメージトリガーが出ても、パワーは上がらない?」
「うん、前のターンみたいな手は使えないよ。さらに《蒼波兵ブルータル・トルーパー》を2体コール。スキル発動! デッキに帰り、このターン2回目以降のアタックでヴァンガードがアタックする際、ドローする効果を与える!」
「!?」
フラットハザードの蒼き瞳に灯が灯るのを、加蓮はイメージした。

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「さらに、《スーパーソニック・セイラー》《マグナム・アサルト》を《タイダル》と入れ替えコール」

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ここで一瞬、凛は考える。
(表のダメージは3枚……。《フォイヴォス》《マグナム》《フラットハザード》1回使うと、《ダガーマスター》が使えなくなる……。《スーパーソニック》をソウルに入れて表のダメージを増やせば使えるけど、今度は《フォイヴォス》のアタックが一度届かなくなる。ここは……)
瞳を閉じて、思考する。どちらが正しいのか。
(どちらにしても、どの道加蓮の手札は多くない。なら!)
「このままバトルに入るよ。まずは《スーパーソニック》ブーストの《マグナム》でアタック!」
「《ブランウェン》でガード!」

 

マグナム:パワー9000+5000=14000
ルアード:パワー11000+5000=16000

 

「《マグナム》のスキル! スタンドしてパワー+2000! さらに二回目 《フラットハザード・ドラゴン》でヴァンガードにアタック!

Gユニットは下に置かれたヴァンガードのパワーを足す。つまり、

 

フラットハザード:パワー26000

 

「さらに、ドライブチェックの前に2枚ドロー。さあ、どうする加蓮!」
「……………Gユニットは、3枚ドライブチェックできるんだよね」
「ああ、つまり最大パワー41000まで上がる可能性があるな」
加蓮の質問に奈緒が返す。何かを考えているようだった。そして、1枚のカードを切る。
「未来より来たりて、アタシを守れ。ジェネレーションガード!《竜刻魔道士ブロナーハ!》

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現れたのは、Gユニットのガーディアン。手札からヒールトリガーを切ることで、強大な防御力を与えてくれる切り札。

「ブロナーハのスキル! デッキの上から5枚見て、グレード1のカードを好きなだけガードに!」
加蓮が抜き出したカードは3枚。《ニーズ》《ソードブレイカー》《アビサル》

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「ブロナーハが15000、グレード1が3枚で15000。これでルアードと合わせて合計パワー41000!」

「トリガー3枚要求分のシールドを、手札1枚で!?」
「勝負だよ、凛。私の残り手札は3枚。どうする?」
加蓮はまだ、勝負を捨ててはないようだ。
(落ち着け……《フラットハザード》は追加の攻撃ができるけどドライブできなくなる。《フォイヴォス》ならあと2回攻撃ができる……どちらにしても、加蓮の手札は削りきれる。なら!)
ドライブチェック。
「……クリティカルトリガー。効果は全てフォイヴォスに。クリティカルトリガー。効果は全てフォイヴォスに。ドロートリガー。効果は全てフォイヴォスに」

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フォイヴォス:パワー9000+5000+5000+5000=24000

「……もし全てヴァンガードに振ってたら、凛の勝ちだったな」
思わず呻く奈緒
「だが、結果はこの通り。そしてまだ勝負は終わってないよ」
楽しそうに、飛鳥は行く末を眺めていた。

「《フォイヴォス》でヴァンガードにアタック!」
「ジェネレーションガード!」
迷わずにカードを切る加蓮。
「またっ……!? そうか、前のターンのドロートリガーで」
「《暗黒竜プロットメイカー・ドラゴン》! 儀式(リチュアル)3! 」

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フォイヴォスの攻撃を大鎌で弾く黒竜が、加蓮を守る。そんなイメージが凛の攻撃を阻んだ。

 

フォイヴォス:パワー24000
ルアード:パワー11000+15000+10000=36000

 

「さらに、《フォイヴォス》はスキルでスタンド、パワー+2000!」

 

フォイヴォス:パワー26000

 

「《フラットハザード》も手札を2枚捨ててスタンド!もう一度、《マグナム》から!」

「《ハウルオウル》でガード!

 

マグナム:パワー11000

ルアード:パワー16000


「加蓮の手札はあと3枚。残り攻撃は2回。行くよ、《フラットハザード》!!」
「……ノーガード!」

 

ダメージ:ハウルオウル

 

「……1枚ドロー。パワーはリアのモルフェッサに」
ヴァレオスに封じられたヴァンガードのパワー上昇。それでも加蓮の手札は増えてしまった。
「これでラスト! 《スーパーソニック》がブーストした《フォイヴォス》でアタック!」

 

フォイヴォス:パワー26000+4000=31000

 

「完全ガード、《竜刻守護者エスラス》!」

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完全ガード。手札をコストにアタックを一度防ぐ防御の要となるカード。加蓮は第1ターンそれにライドしていたが、ここまでの過程で、引いていた。
「手札コストも、《エスラス》」

「…………防がれたか。ターン終了だよ」


北条加蓮
V:ルアード
R:V裏ベリアル、左フォドラ裏ベリアル、右モルフェッサ裏アビサル
手札:1枚
ダメージ:5/6(表4)
GB:2

渋谷凛
V:ヴァレオ
R:左マグナム裏スーパーソニック、右フォイヴォス裏ダガーマスター
手札:6枚
ダメージ:5/6(表なし)
GB2


7ターン目。加蓮のライドフェイズ。
「……ドロー」
昔のことを、思い出した。アイドルになってから、もう振り返らないと決めていた昔のことを。あれは、暑い夏の日だったと思う。「甲子園」という言葉が聞こえていたから。
何度目かわからない手術の前日。幼い加蓮は、「ああ。またか」と思っていた。どうせなら、手術が失敗して、自分なんかいなくなってしまった方が、両親に迷惑かけることもないし、これ以上辛い思いをしなくていいのかもしれない。なんて考えていた。でも、病院のテレビに映るアイドルはキラキラしてて、「もしかしたら」なんて希望をくれた。そんなアイドルの出ている番組を見るのが、好きだった。

その日見ていたのは、とあるアイドルユニットが応援で参加していた、何かの中継だったと思う。
丁度今みたいに互いに顔を見合わせた男の人が2人、対面でカードを切って……
「おぉーっと----選手、まさかの5枚チェンジ! グレード1がいなかったのか!?」
ルールも何もわからないけど、片方の男の人が最初からピンチなのはわかった。とっとと試合を終わらせて、アイドルを映してほしい。なんて思ってた気がする。でも、
「見せてあげましょう。これが本物のシャドウパラディンですよ」
「《レイジング・フォーム》のリミットブレイク!」
ピンチだと思っていた方は、諦めずに食らいついてそして、
「……決着ゥーーー! 勝者、----選手!」
勝利を、手に入れていた。

(……そうだ、私はアイドルから希望を貰って、あの名前も覚えてない、よく知らなかったシャドウパラディンに、覚悟を貰ったんだ)
だから、この偶然は、
「ルアードのスキル発動!」
運命なんだって、そんなキャラじゃないかもしれないけど、思った。

「《ルアード》の儀式! ドロップゾーンのノーマルユニットをデッキに戻すことで、手札を使わずに超越できる!」
「手札を使わずに!?」
ここまで手札を削り切った凛にとって、それは大きな誤算だった。加蓮は、ここから動くつもりでいる。
「今こそ摑み取れ……アタシの望む未来! ストライド・ジェネレーション!!」
現れたのは、弱い自分を否定して、それでも受け止めて、前に進む為の力。それは、
「《覇道黒竜オーラガイザー・ダムド》!!」
巨大な馬に乗り駆ける、漆黒の龍人

 

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「《ルアード》の超越スキル。《アビサル》を退却し、デッキから《ソードブレイカー》2枚をスペリオルコール。《フォドラ》退却。スキル発動! ソウルの『ゴート》と《エスラス》を落として、2枚ドロー!」

 

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「ここからリアと手札を増やすの!?」
《アビサル・オウル》が退却した時、カウンターチャージで裏のダメージを表にできる。これで事実上ノーコストでリア2体と手札2枚。さらに、
「《オーラガイザー》のスキル、リアガード3体を退却させて、デッキの上から2枚を捲る。それがグレード1以下なら相手のリアを退却!」
黒竜の咆哮と共に、《ソードブレイカー》と2体の《ベリアル》が消える。そして、2枚チェック。

 

チェック:《カースドアイ・レイヴン》《アビサル・オウル》

 

「2枚ともグレード1以下……!?」
「《フォイヴォス》2体を退却! さらに《ベリアルオウル》で2枚ドロー!」
ターン開始時に2枚だった加蓮の手札は今、8枚。
「《屈強の騎士グロヌ》と《カースドアイ》をコール。《グロヌ》パワー+3000」

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グロヌ:パワー12000

「《カースドアイ》スキル。山札に戻し、山札の上から2枚をレストでコール。《ハウルオウル》《エスラス》!」

グロヌ:パワー18000

「ドロップの《エスラス》のスキル。《エスラス》を1枚山札に戻し、リアを1体退却させて、手札に。場の《エスラス》を退却!」
「さらに《ハウルオウル》をソウルに。《グロヌ》パワー+3000!」

グロヌ:パワー21000

「手札からもう1枚、《カースドアイ》をコール。スキル発動。《カースドアイ》《ニーズ》をコール!」

グロヌ:パワー30000

「《エスラス》のスキルで《ニーズ》を退却して《エスラス》を手札に。そして《カースドアイ》のスキル! 《エリウッド》《デスフェザー》をコール」

グロヌ:パワー36000

「《エリウッド》と《デスフェザー》を退却して、《ブランウェン》《ニーズ》をコール!」

 

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グロヌ:パワー42000

「ぱ、パワー42000!?」
凛が驚愕の声を上げる。
「にゃはは。これは加蓮ちゃん、頑張ったねえ」
いつの間にか志希も、身を乗り出して観戦していた。

「行くよ、まずは《ニーズ》がブーストした《グロヌ》でヴァンガードにアタック!」
「じ、ジェネレーションガード!」

「《蒼嵐陣竜アイスバリア・ドラゴン》! スキルでシールド+10000!」
「さらにガード、《スーパーソニック》《ブルーギル・トルーパー》!」

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グロヌ:パワー49000
ヴァレオス:パワー11000+15000+10000+5000+10000=51000


「次はヴァンガードで、アタック!」
「完全ガード!」

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オーラガイザーの突進は、氷壁に阻まれる。
「ドライブチェック! 1枚目……2枚目、ゲット・クリティカルトリガー! 全てモルフェッサに。3枚目……ゲット! スタンドトリガー、パワー、スタンド、全てグロヌに!」

 

ドライブ:ルアード、デスフェザーイーグル、カースドアイ

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モルフェッサ:パワー14000
グロヌ:パワー47000

 

「ここでスタンドトリガー!?」
「行くよ、《ソードブレイカー》ブーストの《モルフェッサ》! 儀式でパワー+5000!」
「ブルータル2枚でガード!」

 

モルフェッサ:パワー25000
ヴァレオス:パワー11000+10000+10000=31000

 

「これで、ラスト! 《グロヌ》でアタック!」
凛の手札はもう、ない。
「……悔しいな。ノーガード」

 

ダメージ:蒼波水将メドラ

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渋谷凛
ダメージ:6/6

勝者:北条加蓮

 

 

「………終わった?」
我に帰った途端、ドッと疲れが加蓮を襲う。だが、これは、激しいレッスンをした後のような、気持ちのいい疲れだった。

「…………ナイスファイト! すっごかったよ2人とも!」
見守っていた奈緒が、2人に駆け寄る。
「うん。凄かった、お疲れ様加蓮、凛」
「…………行けると思ったんだけど、悔しいね。でも、楽しいっていうのはわかった」
冷静そうにしている凛。だが、
「……悔しいからもう一回やらない?」
負けず嫌いが既に前面に出ている。
「よーし、じゃあ凛ちゃんの相手はフレちゃんに決定! さあさあ始めよう!」
観戦していたはずフレデリカは、すでにデッキを選んでいたらしい。
「じゃあ飛鳥ちゃんと志希ちゃんに教えてもらおうかなー」
周子は周子で、デッキを決めてふらりとしきあすのところへ混じっていた。
どうやら、2人のファイトの熱は、周囲に相当伝播しているらしい。

「……プロデューサー」
フレデリカに席を譲り、加蓮は観戦へ。
「ん?」
「ううん、ただ……たまにはこういうのもいいかなって」

まさか、こんな形で勇気をもう一度貰えるなんて、思ってなかったから。
シャドウパラディン。あの時偶然見た戦いから貰った勇気と覚悟を、自分も……。なんて、少なくとも、みんなの前では言えない加蓮だった。